死して屍拾う者無し

6/14

 昨日、チャペルヒルまで日帰りで遊びに行ってきたために惰弱なワタシはちょっと今日は疲労気味。なので、今日はちょっと息抜きでネットサーフィンをしてました(いつものことじゃねーか、というツッコミはナシね)。そうしましたら、ちょんまげ占いなるページに行き着きまして、占いごっこが好きなWOGはついついそこから時代劇系HPで長居をしてしまったんですねぇ。因みにWOGの占いの結果は「江戸町奉行」でした。遠山の金さんと一緒です(^0^)
 で、一番嬉しかったのはそのサイトの別のページに「大江戸捜査網」のテーマがMIDIファイルであったこと。うわあ、WOG、このテーマ大好きなんですよ〜。早速ダウンロードして今かけまくってます(笑)。大江戸捜査網はWOGオープニングテーマと大立ち回りのかっこよさが合わさってとても好きな時代劇でした。「必殺仕事人」の次に好きだったかな。何でって、成敗役に女の人も入ってるからなんです。「男だけが悪を成敗できるなんて不公平だ!!」と幼心に思っていたんでしょうね。その頃からフェミニストもどきの道を歩んでいた自分に拍手(笑)。
 幼少期のWOGはかなりなおばあちゃん子だったのでおばあちゃんの影響でよく時代劇を見ていました。しかしながらあまりに小さすぎたため、実際に放送された頃はあまりその時代劇について深く考えることがなかったような気がします。「大江戸捜査網」もその中のひとつで、小学校低学年の頃などは「大江戸捜査網」と「隠密同心」を別の番組だと思っていたらしい(爆)。
 しかしながら物心もしっかり付き、いらん知恵なども付いてきた高校時代以降に改めて時代劇を見るとなかなか新鮮な発見があるものでして。WOGも高校だったか大学時代だったかに久しぶりに「大江戸捜査網」を見たときに、隠密同心という組織が松平定信の密命により出来たものという設定を発見して「おお、寛政の改革!!」などと驚いたものです。確かにあの時代はそれ以前の田沼時代の賄賂政治が横行していたものを無理矢理綱紀粛正に持っていこうとしていた(しかしながらこの改革はあまりに一般庶民の風俗を取り締まりすぎたために「白河の 清き流れに 魚住まず もとの濁りの 田沼恋しき」といった狂歌にも皮肉られ、短命で失敗しています)ので、勧善懲悪の舞台としてはもってこいかも知れません。そういえば勧善懲悪モノではないのですが、「鬼平犯科帳」もこの時代の設定になっていますね。鬼平のモデル、長谷川平蔵は実在の人物で、無宿人(浮浪者)の更正施設としての人足寄場の設置を進言しました。「水戸黄門」は江戸初期の水戸光圀がモデルになっていますし、「暴れん坊将軍」や「大岡越前」は江戸中期の享保の改革あたりを舞台にしています。優れた時代劇は大抵時代考証がしっかりしているんですよね。ただし、「水戸黄門」に関してはあれだけ全国渡り歩いてよく言葉の問題にぶつからないな、とも思いますが(笑)。時代劇ではみんな標準語でしゃべってますからね(これのお陰で日本にいる外国人の方々は「綺麗な日本語が喋られているから」って時代劇を好んで見ているそうです)。
 唯一の例外が「必殺仕事人」。これはシリーズがかなり長かったということもありますが、時代がいろいろ飛びまくっています(現代の日本で仕事人の子孫達が勧善懲悪するという番外編もあったな)。WOGはこのシリーズが大好きだったのでよく見ていました。因みに一番好きだったのは三味線の勇次さんや飾り職人の秀さん、花屋の政さん(鍛冶屋は×)や組紐屋の竜さん(鈴無しは不可)です。あの頃は金曜夜は家族揃って団欒がわりに見ていました(どんな家族だ)。本題に戻って仕事人ですが、ドラマの中で忠臣蔵はやるわ開国後の長崎で異人館のぎゃあじんさん(名古屋弁)相手にチャンバラは繰り広げるわ、でも主役は相変わらず中村主水。その破天荒ぶりにはちょっと正気に返って考えると笑えてきます。
 それが可能であったのは、江戸時代の風俗にあります。鎖国政策をしていたという理由もあるのでしょうが、江戸期においては大雑把に言って人々の服装や髪型は殆ど変わることがなかった。特に権力層である武士階級では芸術の保守化(狩野派の御用絵師化、儒学の林家の御用学者化はその好例)なぞも起きたために基本的なラインは江戸初期の家光時代ぐらいまでのものがかたくななまでに墨守されていました。流行りが1年どころか、3ヶ月単位でめまぐるしく変わる現代から見れば、250年以上もの間、同じような服装や習慣が守られていたというのは驚くべきことです(あ、フォローの為に言っておきますが、細かいところでのマイナーチェンジや町人文化、農民文化などでは変化したところもありました)。このような利点があるから、江戸時代というのは時代劇に設定しやすい時代なのでしょう。
 物心ついてなかった昔はアニメ「一休さん」も「大岡越前」とかと同じ時代のモノだと思ってました(笑)。まぁ、中学に入った後ぐらいに「あれは室町時代中期のものだ」というのは判ったのですが、それでもあの「将軍様」が足利義満だと気づくのには時間がかかっていたような。足利義満は歴史上の人物の中でも結構好きな部類に入るので、その彼がキートン山田の声で「バカ殿」扱いされていたのが無意識的に許せなかったのかも知れません(笑)。でも、よく考えれば江戸時代の将軍様は既に烏帽子なんか被ってなかったし、あんなきらびやかな服装もしたりしなかったですよね・・・。
 そういうわけで今WOGが一番読み返したいのは「キャンディ・キャンディ」。アメリカ文学を専攻してる知人とも「あれは一度じっくり読み返したいよね」ということで意見が一致しております。かの作品も作画はいがらしゆみこですが、原作は水木杏子という別の方が書いているから、ストーリーラインはしっかりしています。多少なりともアメリカ史の知識が付いている今読んだらかなり面白いんだろうなぁ。日本帰ったら即復刻版購入です(笑)。

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