2004年09月28日(火)  A Beautiful Mind
 ↑「なんだよ、今頃見たのかよ」という意見はさておき(^^;

 Tsutayaで借りてA Beautiful Mindを見ました。

 確かにアカデミーで何部門も賞を総なめにしただけあって、よくは出来ているのですが。個人的にはフォレスト・ガンプと似た系統でアカデミーで受けたのかなーと。

 ただし、a9nさんが仰っているように、大人が1800円も払わないと見れないような日本で大スクリーンの映画館で見る価値はあるかどうかは疑問ですが(^^; フォレスト・ガンプはやっぱりDCのThe Mallのシーンとかは大スクリーンならではだと思うのですが。

 ついでに言えばやはり余りにもメイン・キャラクターであるジョン・ナッシュを演じるにはラッセル・クロウではマッチョすぎた気が(^^; 個人的にはラッセル・クロウは「グラディエイター」の古代闘士のイメージが余りに強すぎて、「こんなマッチョな数学者がいるかい!」とどうしても違和感が拭えませんでした。というか、WOGの知ってる限り、数学者であんなマッチョはいません(^^; 敬愛する数学界ののほほん茶、森毅先生(数学は高校数学以上をやったことがないので、あんまし専門的なことはわからんのですが、この人の本は読んでてとても楽しい)なんか見てると特に。

 ジェニファー・コネリーがめちゃくちゃ美人なのは、映画なので仕方ない、というか、とても美しくてうっとりするんですが。とはいえ、あんな美人でラッシーが声かけるまでは「今まではロマンスへの憧れしか持っていなかったから」というのは無しじゃろ、幾らなんでも(苦笑)。

 あと、これを見て統合失調症に対する誤解が広まってはしまいかと思います。つまり、「統合失調症などの精神疾患は天才だからかかってしまうものだ」とか「天才で、ノーベル賞を取れば全てよし」とか。まぁ、上記のような極端な理解をする人はいないと信じたいのですが、精神疾患は別に天才だけでなく、誰にでも起こりうる病気だという認識がこの映画では薄いなぁと思われます。

 ついでにコレはWOGの思い込みかもしれませんが、ジェニファー・コネリー演じる妻が主人公ラッシーに夜の夫婦生活を求めて拒まれてしまい、状況が悪化するシーンは、個人的には「女性の方から積極的に性を求めると良くないことが起こる」というような非常に保守的な思考を暗示しているような気がしてなりません。何となく『古事記』でイザナミが先にイザナギを求めたらヒルコ神が生まれてしまった、というエピソードを思い出させます。

 というのも、彼ら主人公夫婦には、「いつの間にか息子がいる」という設定になっているからです。結婚後に「妻が妊娠したんだ」と言うシーンはありますが、その息子を作ったときの夫婦の性生活の様子については、結婚前の妻の「今のワタシにはロマンスに対する子供っぽい憧れしかない」というセリフから考えても、夫が積極的に性を求めた結果、子供(=良い結果)が生まれたと推測して間違いないでしょう。

 勿論、映画の筋的にそういう部分は「不必要」で、カットされたんでしょうが、そもそも映画はカットの部分とアンカットの部分がディレクターによって恣意的に構成されているものです。だから、コネリーがラッシーに性生活を求めるシーンだって、もしかしたらカットの可能性があったかもしれないのです。そう考えるとこの部分を残したことはやっぱり保守的だなぁと思わざるを得ないわけで。

 まぁ、昔からのアカデミーの会員の大部分はかなり保守的な人間が多いと聞くので、賞を取るためにはある程度こういう部分(=審査員へのすりより)も作っておかねばいけないという戦略的な部分もわからんのではないですが、やはり気になるもんは気になる、ということで。

 以上、WOGのアカデミー受賞作メッタ斬りのコーナーでした(爆)


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